沓脱石

kutsunugiishi1 kutsunugiishi2

沓脱石とは
縁側や式台などの前に置き、履物を脱いでそこに置いたり、踏み台にしたりする石のことです。

そもそも古来、日本人は大地を穢れ(ケガレ)と考え、家を神聖なる場と考えていました。聖なる場に入るためには大地のケガレ、外部のさまざま穢れを祓わなくてはなりません。日本の住居によく見られる垣根、門、敷居、玄関、上がり框など、多くの装置はケガレの侵入を防ぐための境界、結界を意味しています。そして、そのもっとも重要な装置が「沓脱石」だったのです。写真のように表面が平らな沓脱石は、聖なる場との境界を示す結界であり、沓脱の儀礼を表す石なのです。
作法としては、石の上でそのまま室内に向かって履物を脱ぎ、上がってから靴の向きを整えます。

ちなみに日本人の履物を脱ぐという習慣は、理由はさまざまですが、弥生時代から続いているものと考えられています。

return